試験管の中に雪を降らそう

塩化アンモニウムの再結晶

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目的

  温度による溶解度の変化でおきる結晶の析出を観察し,再結晶により精製ができることを確かめる。

実験をするときには,適切な指導者に指導を受け,安全に注意して行って下さい。


準備

器 具
試験管,メートルグラス,ビーカー,加熱器具,こまごめピペット, 天秤
材料
塩化アンモニウム,水,青インキ,ろ紙

操作

  1. 塩化アンモニウムを5gはかりとり,試験管に入れる。
  2. メートルグラスで水10mlをはかりとり,操作1の試験管に入れ,振りまぜる。
    試験管の底に手を触れてみる。
     観察 溶けかた
         液の温度
  3. 操作1の試験管をおだやかに加熱し,試験管内の塩化アンモニウムをすべて溶かす。
  4. ビーカーに入れた水道水に試験管を浸して冷却し,結晶の析出を観察する。
     観察 結晶が析出するようす
  5. ふたたび,液を加熱して塩化アンモニウムをすべて溶かす。その中へ青インキ を数滴加える。
     観察 液の色
  6. 操作5の液をふたたび冷却し,結晶を析出させる。結晶の析出が終ったら液をこまごめピペットを用いて取り除く。冷たい水を少量加えて,結晶を洗い,洗液 をこまごめピペットで除く。結晶の一部をろ紙の上に取り出し,水分を吸い取る。
     観察 残った結晶の色

考察

  1. 実験に用いた塩化アンモニウムがちょうど飽和溶液になる温度は何度か。溶解度の値から溶解度曲線を書いてこの温度を求めよ。(次ページに曲線を書く) ℃
  2. 操作4で析出した塩化アンモニウムの質量を溶解度曲線から求めると何gになるか。
    (実験時の水温   ℃)        g
  3. 考察3. 10℃における飽和溶液の質量パーセント濃度は何%か。

    計算

 

  


解説

 塩化アンモニウムは,試験管内に雪のような白い小さな結晶として析出する。上の操作で析出する結晶の形は雪のような平面ではないが,徐々に析出してくるときの形は一見雪のような感じにみえる。このようすを「観賞」させたいと思うような実験である。また,ある程度結晶が析出した頃,水面にできる結晶が逆さになった針葉樹のような形になるのも美しい。これらをきれいに観察するには実験を行うときの気温などに応じて塩化アンモニウムと水の量を調節する必要がある。季節により予備実験が欠かせない。

NH4C???????o NH4C???????o

 この実験は温度変化による結晶の析出を観察するのが目的の実験である。上の例は化学IBの物質の状態,溶液の部分での指導に使用したものである。

 考察1で必要な溶解度の値は教科書にある溶解度の表に記載の値を利用させた。

 顕微鏡を用いて,結晶の析出を観察するのもダイナミックでよい。下のような結晶が見る見るうちに成長していくようすが観察できる。操作としては,温水に塩化アンモニウムを溶かし,スライドグラスに1滴のせ,さらにカバーグラスをのせて観察するだけである。高倍率は必要ない。この実験でも予備実験を行って,塩化アンモニウムと水の量の関係を適切に設定する必要がある。

塩化アンモニウム

拡大(JPEG 23KB)

顕微鏡写真

拡大(JPEG 72KB)


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最終更新日2004年12月19日 前回更新 2003.07.22